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2015年7月4日土曜日

Dividing vCenter SSO and vCenter Server before upgrading to vCenter 6.0

vSphere 6  で vCenter Server 間の vMotion を実行する場合、Enhanced Linked Mode にする必要があります。
トポロジで表すと、このような構成です。
 

ところで、vCenter 5.1/5.5 を Simple Install で構成した場合は、このような構成になります。


当然、この状態で vCenter 6.0 にアップグレードして Enhanced Linked Mode の構成にすると、こうなります。


しかし、このトポロジ構成は KB2108548 に書かれている通り、推奨しない&将来未サポートになるかもしれない構成なのです。
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Topologies that are deprecated and will be unsupported in the future.
These topologies are not recommended.
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さらに、vSphere 6 アップグレードガイドには、
「アップグレードした後は PSC と vCenter Server のデプロイモデルを変更することはできない。」
と書かれています。
vSphere 6 アップグレードガイド抜粋

Simple Install で構成したら、Enhanced Linked Mode を使用したくても躊躇しちゃいますね。
ではどうすれば良いかというと、アップグレード前に分けちゃえば良いんです。
分割方法は KB2033620 に書かれています。
vCSA の場合は KB2094888 になります。vCSA の場合は vCSA 5.5 のみ情報がありました。

今回は、この KB2033620 の方法で vCenter SSO 5.5 と vCenter Server 5.5 を分けて、かつそれぞれを PSC とvCenter Server 6.0 へアップグレードする方法をご紹介します。

作業概要は以下の通りです。
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1. 旧 vCenter SSO の情報をバックアップ
2. 新 vCenter SSO を新しいサーバにカスタムインストール
3. vCenter Inventory Service を新 vCenter SSO に登録
4. vCenter Server を新 vCenter SSO に登録
5. vCenter Server と vCenter Inventory Service を再登録
6. vSphere Web Client を新 vCenter SSO に登録
7. 旧 vCenter SSO の情報を新 vCenter SSO へリカバリ
8. 旧 vCenter SSO をアンインストール
9. 新 vCenter SSO を PSC にアップグレード
10. vCenter Server をアップグレード
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この作業の 3~6 が、KB2033620 に該当します。

早速やってみましょう。

1. 旧 vCenter SSO の情報をバックアップ

vCenter SSO の情報をバックアップする場合、以下の3つの方法が考えられますが、私が試した中では、1つしかできませんでした。

  ・vSphere Web Client でログインし、vCenter SSOの情報をメモする
 
   -ユーザ、グループ
   -パスワードポリシー、ロックアウトポリシー、トークンポリシー
   -アイデンティティソース
   -STS 証明書(メモと言うよりどの証明書を使っていたかの確認)

 
  ・バックアップせず、新 vCenter SSO を同じドメインの新規サイトとして追加し、旧 vCenter SSO の情報を複製する


  ・旧 vCenter SSO の構成ファイルをバックアップする(KB2057353
 

正解は「vCenter SSOの情報をメモする」です。
2番目の旧 vCenter SSO と 新 vCenter SSO を同じドメインにして、情報を複製するやり方だと、アップグレードした後も旧 vCenter SSO と同期使用としてエラーメッセージがログに出力され続けます。
3番目の構成情報のバックアップは、新 vCenter SSO のサーバ名が変わる為、使えないのです。


2. 新 vCenter SSO を新しいサーバにカスタムインストール

新しいサーバに vCenter SSO をカスタムインストールします。そのとき、vCenter SSO のデプロイモードは、「最初の vCenter Server 用の vCenter Single Sign-On 」でインストールします。
このとき、サイト名、vCenter SSO ユーザ(Administrator@vSphere.local)のパスワードは旧 vCenter SSO と同じである必要はありません。

一番上を選択する
3. vCenter Inventory Service を新 vCenter SSO に登録
4. vCenter Server を新 vCenter SSO に登録
5. vCenter Server と vCenter Inventory Service を再登録
6. vSphere Web Client を新 vCenter SSO に登録

ここはKBそのままなので省略します。注意点としては、バッチ実行後、エラーが表示される場合がありますが、net start コマンドのタイムアウトなので気にしないでください。
vCenter Inventory Service を新 vCenter SSO に登録する時に表示される

vCenter Server を新 vCenter SSO に登録する時に表示される


7. 旧 vCenter SSO の情報を新 vCenter SSO へリカバリ

vSphere Web Client でログインし、作業 1 でメモした情報を入力します。


8. 旧 vCenter SSO をアンインストール

vCenter SSO のアンインストールはインストール媒体を使うか、コントロールパネルの「プログラムと機能」からアンインストールすることができます。
アンインストールしないと、次の作業で行う vCenter Server のアップグレード時に、もう使っていない vCenter SSO までアップグレードされてしまいます。


9. 新 vCenter SSO を PSC にアップグレード
10. vCenter Server をアップグレード


あとは、vCenter Server 6.0 のインストール媒体を使ってアップグレードするだけです。
 

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