共有ストレージと言えば、 vSphere HA や vSphere DRS など利用するうえで、なくてはならないものですよね。
VSAN で形成される共有ストレージのことを VSAN データストアと呼びます。
VSAN クラスタ配下に 1 つの VSAN データストアを形成し、各サーバの内蔵ディスクに仮想マシンのファイル群を自動で分散配置します。
その際、仮想マシンファイル群はミラーリング( RAID 1 相当)されます。仮想ディスクについては、さらにストライピング( RAID 0+1 相当)することも可能です。これら RAID 相当の管理により、コンポーネントとしての可用性を担保している訳です。
補足ですが、ESXi をインストールした内蔵ディスクは VSAN データストアとして利用できないので注意して下さい。
VSAN クラスタは vSphere HA や vSphere DRS を構成するのと同じくらい簡単にできます。
HA クラスタや DRS クラスタを有効にするのと同様に、チェックボックスにチェックを入れることで、VSAN クラスタを構成することができます。
VSAN クラスタを有効化する |
勘の良い方は HA/DRS クラスタと同様に、VSAN クラスタを構成するには vCenter Server が必要なのでは?と思われたのではないでしょうか。
正解です。
VSAN クラスタを構成するには、vCenter Server が必須です。(厳密に言うと、簡単に構成するには。)
VSAN クラスタは簡単に構成できることは説明しましたが、同じように簡単に無効にすることもできます。注意する点としては、VSAN クラスタを無効化すると、VSAN データストアに配置している仮想マシンにアクセスすることができなくなります。( VSAN データストアが消える為)
もし、vCenter Server を仮想マシンとして構成し、VSAN データストア上に配置している環境でVSAN クラスタを無効化してしまうと、vCenter Server にアクセスできなくなり、VSAN クラスタを再構成することができなくなってしまいます。考えただけでも恐ろしいですね。
VSAN クラスタを無効化するときの警告 |
VSAN クラスタを無効化すると、
仮想マシンはアクセス不可になる
|
でも VSAN クラスタを復旧する手段があります。
今回はその手順をご紹介します。
※ VSAN 1.0 で実施したものです。まだ VSAN 6.0 では試せていません。
1. ESXi ホストにダイレクトコンソールや ssh でログインする
2. VSAN クラスタの UUID(Sub-Cluster UUID) を確認する
cat /var/log/vsanvpd.log | grep “:Cluster uuid" | head -n 1
3. VSAN クラスタ情報を取得する
esxcli vsan cluster get
4. VSAN クラスタから ESXi ホストを外す
(ただし、手順3で VSAN クラスタ情報が取得できなければこの手順は行わない)
esxcli vsan cluster leave
5. VSAN クラスタへ ESXi ホストを追加する
esxcli vsan cluster join –u UUID
6. VSAN クラスタ情報が表示されることを確認する
esxcli vsan cluster get
7. 手順1~6 までを VSAN クラスタ配下の全ての ESXi ホストで実行する
8. vCenter Server が登録されている ESXi ホストへ vSphere Client でログインし、
vCenter Server の仮想マシンを起動する
9. vSphere Web Client で vCenter Server にログインし、VSAN クラスタを有効化する
コマンド部分はこんな感じで実行します。
---------------------------------------------------------------------------------
~ # ls /var/log/vsan*.log
/var/log/vsanvpd.log
~ #
~ # cat /var/log/vsanvpd.log | grep ":Cluster uuid" | head -n 1
2014-MM-DDT03:57:27Z vsanSoapServer: ExtractClusterUuid:199:Cluster uuid: 521e8255-4e80-a785-26f7-dd407352e7f2
~ #
~ # esxcli vsan cluster get
VSAN Clustering is not enabled on this host
~ #
~ # esxcli vsan cluster join -u 521e8255-4e80-a785-26f7-dd407352e7f2
~ #
~ # esxcli vsan cluster get
Cluster Information
Enabled: true
Current Local Time: 2014-MM-DDT07:15:34Z
Local Node UUID: 53a7d492-9256-3534-f431-005056913994
Local Node State: BACKUP
Local Node Health State: HEALTHY
Sub-Cluster Master UUID: 53a7d68b-8859-f918-0657-005056915059
Sub-Cluster Backup UUID: 53a7d492-9256-3534-f431-005056913994
Sub-Cluster UUID: 521e8255-4e80-a785-26f7-dd407352e7f2
Sub-Cluster Membership Entry Revision: 2
Sub-Cluster Member UUIDs: 53a7d68b-8859-f918-0657-005056915059, 53a7d492-9256-3534-f431-005056913994
Sub-Cluster Membership UUID: 07abab53-c607-cf78-3cc6-005056915059
~ #
---------------------------------------------------------------------------------
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